アール・ヌーヴォー建築発祥の地、ベルギー「ブリュッセル」

アール・ヌーヴォー建築発祥の地、ベルギー「ブリュッセル」

ベルギーの首都、ブリュッセルは人口約116万人、面積約161㎢の小さな街。ヨーロッパ諸国に囲まれたベルギーでは、公用語としてフランス語、オランダ語、ドイツ語の3ヶ国語が使われている。ブリュッセルはフランス語とオランダ語の2ヶ国語が公用語になっている世界でも珍しい国でブリュッセルの駅看板、標識などはすべて2ヶ国語が表記されている。フランス語で「Bruxelles 」オランダ語「Brussel 」と街のスペルと読み方も違っている。(ドイツ語: Brüssel 、英語: Brussels )。

 

ベルギーといえば、ファッションの街としてアントワープが有名だが、ブリュッセルはアール・ヌーヴォー建築発祥の地としても知られている街でもある。2000年に世界遺産に登録された「建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群」の4つの建築物のなかのひとつ「タッセル邸(L’Hôtel Tassel)は世界初のアール・ヌーヴォー建築で、その後パリやウィーンへとアール・ヌーヴォーの建築スタイルは広がっていった。

 

 

Hôtel Tassel Bruxelles, rue P-A Janson 6, 1000 Bruxelles, Belgium (イラスト)
1892年から1893年にかけてヴィクトール・オルタ(1861-1947)がベルギーのブリュッセル、ポール=エミール・ジャンソン通り6番地に建築した邸宅。当時新素材だった建築用の鉄やガラスを多用し、エントランスから階段などがとても美しい。 現在は内部を見ることができないが、近くに「建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群」でもあるオルタ邸 (Maison & Atelier Horta) があり、そちらは現在アール・ヌーヴォーに関する美術館として一般に公開されている。

 

 

 

ブルッセルへの行き方
日本からへは、2015年からブリュッセル国際空港(Brussels National Airport/BRU)までANAの直行便が出ている。成田を11:15に出発し、ブリュッセルには現地時間15:15に到着。空港からブリュッセル市街地までは電車で約22分前後、タクシーは20分程度で約45ユーロと空港から比較的近い。

 

 

 

「建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群」
ブリュッセルにあるユネスコ世界遺産のひとつ。世界遺産にとしてヴィクトル・オルタが建築した4つのアールヌーヴォー様式の建築物。

タッセル邸(Hôtel Tassel)1893年 – 1894年
ブリュッセルのジャンソン街6番地 (rue Paul-Emilie Janson 6) 。ブリュッセル自由大学教授タッセルの依頼によってヴィクトル・オルタが31歳の時に建設した邸宅で、彼が建設した邸宅で最も古いもの。世界初のアールー・ヌーヴォー建築物として有名。ブリュッセル中央駅からトラムに乗り、ジャンソン停留所で下車。

ソルヴェー邸 (Hôtel Solvay ) 1894 – 1903
ルイーズ大通り224番地 (avenue Louise 224) 。依頼人アルマン・ソルヴェー (Armand Solvay) が、ヴィクトル・オルタを信頼し、何の規制もなく、資金的にも全てをまかせたため自由にデザインした建築物。

オルタ邸 (Maison & Atelier Horta) 1898 – 1901
アメリカン通り23番地から25番地 (rue Américaine 23-25)。ヴィクトル・オルタのアトリエと住宅を兼ねた邸宅。 他の邸宅は中を見ることができないが、ここだけ現在はオルタ美術館として一般に公開されている。 大人10ユーロ。

ヴァン・エドヴェルド邸 (Hôtel van Eetvelde 3) 1897 – 1901
パルメルストン大通り4番地 (avenue Palmerston 4) 。コンゴ自由国(現:コンゴ民主共和国)の外交官だった ヴァン・エドヴェルドの依頼によって建造された大邸宅。他の3つは近いが、ここだけ少し離れていて、地下鉄シューマン駅からバスに乗り換え、パーマストンというバス停が最寄り駅となる。