アフリカ、『コンゴ』のおしゃれな紳士「SAPEUR(サプール)」に関する4冊の書籍

アフリカ、コンゴ(コンゴ共和国あるいはコンゴ民主共和国)のファッショナブルな人々「SAPEUR(サプール)」。

平均月収が3万円前後といわれるなか、KENZO、SAINT LAURENT 、YHOJI YAMAMOTOなどの高級ブランドを身につけ、ダンディズムを貫く男性たち。そんな彼らの写真を集めた書籍(写真集)が過去に何冊か発売されている。今回はそのなかから4冊をピックアップして紹介する。

 

⬛︎コンゴについて
アフリカ中部にあるコンゴはコンゴ川を挟み北西側に位置するコンゴ共和国とコンゴ民主共和国のふたつの国になる。外務省の資料によると、コンゴ共和国は人口約526万人、面積は日本の約0.9倍、首都はブラザビル、2018年6月時点で日本いるコンゴ共和国人は23人。

また、コンゴ民主共和国は1971年から1977年まではザイールという国名で記憶にある人もいるだろう。人口約8134万人、面積は世界で11番目に大きな234.5万平方キロメートル、首都はキンシャサ、日本いるコンゴ民主共和国人は437人。コンゴ共和国とコンゴ民主共和国、どちらの国も公用語はフランス語。

コンゴへは日本から直行便は出ていないため、エールフランスなどの乗り継ぎで日本からトランジットなどもいれると約31時間くらい。コンゴ共和国はマヤマヤ国際空港、コンゴ民主共和国はヌジリ国際空港が最寄りの空港。ブラザビルとキンシャサ間の移動にはコンゴ川を渡るフェリーもある。

 

⬛︎サプール(SAPEUR)とは
フランス語で「Société des Ambianceurs et des Personnes Elégantes =おしゃれでエレガントな紳士たち」という頭文字「SAPE(サップ」な人たちのこと。ネクタイ、スーツ、革靴、帽子などを高級ブランドのファッションで決めた、コンゴ特有のファッションスタイル。平日はフアッションに関係ない普通の仕事をしている彼らは、週末になるとビシッとおしゃれをして街を闊歩する。平均月収が約3万円前後のなかで、男たちはサプールとしての誇りを持ち、高価な高級ブランドのスーツやネクタイを(中古も含み)購入し、ファッション、そしてサプールとしてのプライドある生き方を貫き通している。

 

⬛︎『Yohjiを愛したサプール』(Gakken 刊 2019)撮影:SAO CHANO
4冊の中で最も新しく、サイズも一番大きな写真集。他の3冊は原色のファッションが多いコンゴ共和国の首都ブラザビルで撮影されているが、こちらはコンゴ民主共和国の首都キンシャサで撮影されているため、黒を中心としたファッションが多いようだ。タイトル「Yohjiを愛したサプール」というように、Yhoji Yamamoto、Y’s、Y-3などのタグを自慢げに見せているサプールや、原色を使わない黒一色をクールに纏ったサプール、そして、ファッションだけではなく、表情豊かなサプールの顔の写真など掲載されており、写真集としても興味深い。サプールの写真集では原色を着たサプールがピックアップされることが多いが、またひとつ違うサプールのファッションを楽しむことができる一冊となっている。

⬛︎『THE SAPEUR コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン』(オークラ出版 刊 2016)撮影:茶野邦雄
ハードカバーの写真集。赤、緑、青、黄色などのカラフルなスーツを着こなし、パイプを口にくわえたり、膨大な量の自分の洋服コレクションを前にしてカメラに向かってポーズをとるサプールたちの写真表情などが面白い。また、いろいろな職業のサプールそれぞれのファッションや生き方に対する短いリアルなコメントが紹介されているのも興味深い。イントロはファッションデザイナーの山本寛斎が書いている。

⬛︎『SAPEURS – Gentlemen of Bacongo』(SEIGENSHA 刊 2015)撮影:ダニエーレ・タマーニ
2009年、ロンドンの出版社Trolleyから発行された写真集の日本語版。イタリアのフォトグラファー、ダニエーレ・タマーニが撮影している。A5サイズと小さなサイズながら224ページとボリュームあるページのなかに、様々なサプールが紹介されている。ただ残念なのは、一枚の写真が見開きでレイアウトされているページが多いため、肝心の写真が少し見にくいのと、スナップ的な写真が多く、表現写真としては少し物足りない気もする。印刷クオリティもいまいちで、資料性はあるが写真集としてはあまりオススメしない。

⬛︎『WHAT IS SAPEUR? ―― 貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち』(祥伝社 刊 2015)NHK「地球イチバン」制作班  ディレクター 影嶋 裕一
2014年12月にサプールを特集したNHKテレビの番組「地球イチバン 貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち」担当ディレクターの取材記を元にした一冊。B6サイズくらいで、ページ数も128ページというコンパクトな一冊だが、テレビで紹介されたサプールの人たちの写真はもちろん、番組ディレクターの手記が読み物としてとても面白い。ファッションだけではなく、サプールとしての生き方などにもテキストで言及しているのでサプールに関した書籍としてよく編集されていると思う。ぜひテレビで再放送をしてほしい。