国際ポスタービエンナーレが開催される街、ポーランドの首都『ワルシャワ』

 

世界5 大ポスター展の中で最も歴史がある「ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ」。その会場となるポーランドの首都ワルシャワ( Warszawa / 英語表記:Warsaw)とはいったいどのような街なのだろうか。

 

イラスト:
ワルシャワを代表する歴史的建造物「文化科学宮殿」Pałac Kultury
住所:Nauki Plac Defilad 1, Warsaw
着工:1952 年3 月 竣工:1955 年7 月
デザイナー:Lev Rudnev
ワルシャワで一番高いビルであり現在のワルシャワを象徴する建築物。戦後スターリンによるポーランドへの贈り物として建設され、この建築のためにソ連から約3500 人の労働者がワルシャワへ来て工事をした。現在は劇場· 映画館· 博物館· 大学·レストラン· オフィスなどに使用されているが、観光客は30階の展望台がありワルシャワの街を一望できるようになっている。入場料金はノーマルチケットでPLN20.00。

 

■ワルシャワについて
人口約176 万人のポーランドの首都。言語はポーランド語。使用通貨はPLN(ズウォテイ)で2019 年1 月現在約28.8 円。90 日以内の滞在であればビザは必要ない。電圧は220V。ワルシャワ出身の著名人としては、ショパン(生後7 ヶ月から20 歳までワルシャワで暮らす)、キュリー夫人(ワルシャワ生まれ、24 歳にパリに移住)などがいる。ワルシャワの街は、第2 次世界大戦時に大きな被害をうけ、そのほとんどが壊滅状態となったが、ポーランド市民はその廃墟に新しいビルや建築物を建てるのではなく、街を元の姿にすることを望んだ。瓦礫の中からレンガを拾い集めて元の建物に使用したり、戦前の建築物の風景画や記憶などを参考にして、建物のひびにいたるまでかつての街を忠実に再現して「旧市街」を復元させた。その復興資金は他国の支援や政府の予算ではなく、ワルシャワ市民の寄付とボランティアによるものでもある。旧市街は1980 年に「ワルシャワ歴史地区」として世界遺産に登録されている。また、ワルシャワはロマン· ポランスキが監督した映画「戦場のピアニスト」(2002) の舞台にもなっており、映画の一部は実際にワルシャワで撮影された。ワルシャワの街とは直接の関係はないが、イギリスのバンドJoy Divison の前身となるバンド名もWarsawという名前だった。

 

■ワルシャワまでの交通
日本からポーランドへは、成田空港からワルシャワ· ショパン空港( Warsaw Chopin Airport) へ週3 回運行しているLOT ポーランド航空の直行便が便利。飛行時間は約11 時間30 分。空港からワルシャワ中央駅(Warszawa Centralna)までは電車で約20分程度。荷物が多い場合にはタクシーで1200円くらいで市内まで行くことができる。市内の主な移動手段は、バス、トラム、メトロの3 種類。いずれもZTMという共通チケットで乗ることができる。チケットは乗車時間別に料金が違っているので目的にあわせて購入するのがいい。旅行であれば24 時間有効のチケット(PLN24,00)が便利。ヨーロッパの国の交通機関に多いように、乗車したらチケットに刻印するのを忘れないように。刻印がないと高価な罰金を取られる。世界遺産「ワルシャワ歴史地区」へはワルシャワ中央駅前のバス停Dw.Centralny から175 番、もしくは160 番のバスでStare Miasto駅まで15 分程度。遠くはないので街を散策しながら歩いていくこともできる。

 

■ワルシャワの街の風景
ワルシャワ中央駅を出ると目に飛び込んでくるのが、旧ソ連時代にスターリンがポーランド市民に贈ったとされる高さ237 メートル、地上42 階、地下2 階の文化科学宮殿(Pałac Kultury i Nauki)。スターリン様式といわれる建築物は建設当時はポーランド市民からの評判があまりよくなかったようだ。文化科学宮殿のすぐ横には近代的なショッピングモールがあり、大通りを挟んでZlota
44 などの高層ビルや、建設中のビルが立ち並ぶなど現在のワルシャワの街の景色は大きく変わりつつある。

 

 

■ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ(Poster Biennale in Warsaw)/ ポスター美術館(Muzeum Plakatu)
世界5 大ポスター展の中で最も歴史がある「ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ」。世界初のポスタービエンナーレ展として1966 年に設立され、これまでに多くのグラフィックデザイナーが作品を応募・受賞している。第1 回には日本人デザイナー、田中博と永井一正が金賞を受賞、第2 回では、亀倉雄策が金賞、永井一正、田中一光が銀賞など全入賞作品の半数を日本人が受賞している。2018 年に開催された第26 回では、824 作品の応募から84 作品が受賞作品となり、日本人では藤本孝明と対馬肇の2 人、中国から9 人、台湾から3 人が受賞するなど、ここ数年は日本のみならずアジアの受賞者が増えてきているようだ。展覧会の会場となるのは17 世紀末にポーランド王、ヤン・ソビェスキ3 世が建てた夏の離宮、ヴィラヌフ宮殿一画にあるポスター専門美術館「ヴィラヌフ·

ポスター美術館(MuzeumPlakatu)」。世界でも珍しいポスターだけの美術館だが、残念ながら2018 年末に閉鎖されてしまった。(注:世界5 大ポスター展とは、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ(ポーランド)、ラハティ国際ポスタービエンナーレ(フィンランド)、ブルノ国際グラフィックデザインビエンナーレ(チェコ)、メキシコ国際ポスタービエンナーレ(メキシコ)、世界ポスタートリエンナーレトヤマの5 つ)。