イヴ・サン=ローランが愛したモロッコ『マラケシュ』

イヴ・サン=ローランが愛したモロッコ『マラケシュ』

イラスト:マジョレル庭園

マジョレル庭園 Jardin Majorelle
Rue Yves Saint Laurent
Marrakech, Morocco
http://jardinmajorelle.com
入場料:Garden : 70 Dhs Museum : 30 Dhs
12歳以下は無料

 

Yves Saint Laurentが愛した街モロッコのマラケシュ。その風景はドキュメナリー映画『Yves saint Laurent-Pierre Bergé L’amour fou』(2010)や、ジャリル・レスペール監督の『Yves Saint Laurent』(2014)の映画などでも一部を見ることができる。なかでもYves Saint Laurent自らがオーナーでもあった「マジョレル庭園」は建物の青い壁やサボテン・竹・ヤシの木などの植物などが美しく、マラケシュの観光地としても人気だ。今回はYves Saint Laurentが愛した街、マラケシュと「マジョレル庭園」について。

 

 

マラケシュについて

マラケシュはモロッコ中央部にある都市で、サハラ砂漠ツアーの出発地にもなっている街。公用語はアラビア語、第2公用語はフランス語。英語は空港以外ではほとんど使えない。日本との時差は9時間、基本通貨は1Dhs(ディラハム)=約12.3円、人口は2014年度のデータでは92.88万人 。電流は220Vが主流でコンセントは丸穴2つのCタイプ。
東西2km、南北3kmの城壁に囲まれた旧市街(メディナ)と、旧市街の西に広がる新エリアがあり、「マラケシュの旧市街(メディナ)/Media of Marrakesh」は世界遺産に登録されている。治安は比較的いい。チップの習慣もあるので忘れないように。

 

 

マジョレル庭園について

1966年ファッションデザイナーのYves Saint LaurentがパートナーであるPierre Bergéとはじめてマラケシュに来た時、ここを気に入り、毎日のように通っていたという庭園。庭園が売りに出された1980年にYves Saint LaurentとPierre Bergéが購入した。現在はFondation Pierre Bergé-Yves SaintLaurentによって運営されている。

庭園内にはサボテン、竹、椰子の木などの植物や噴水、ベルベル人の文化を紹介するBerber Museum、カフェ、売店などがある。庭園内の印象的な青い建物はかつて前オーナーで庭園の名前にもなっているジャック・マジョレル(JacquesMajorelle)のアトリエで、彼が塗った美しいブルーは、マジョレルブルーと呼ばれている。庭園のすぐ隣にはドキュメンタリー映画や雑誌などで見たことがあるYves Saint LaurentとPierre Bergéの邸宅Villa Oasisがあるが、こちらはもちろん非公開(Yves Saint Laurentの死後、パリのRue de Babyloneのアパルトマン、モロッコの北にある都市Tangier(タンジェ)の海が見える別荘、ノルマンディーの別荘Château Gabrielも売り払ったが、唯一ここだけは残し、Pierre Bergéが使用していたようだ。(注:Pierre Bergéが2017年に死んだ後所有しているかどうかは不明)。

2002年にYves Saint Laurentが引退してから、この場所でふたりで余生を過ごしたらしい。Yves Saint Laurentの死後Villa Oasisのローズガーデンに遺灰はまかれ、ガーデン内には記念碑が作られた。また、2010年11月27日から庭園の入口がある通りはRue Yves SaintLaurentとなり、庭園入口には通りの名前が入ったプレートも貼られている。また、2017年にはこの庭園の隣に Yves Saint LaurentMuseumがオープンしたばかり。Pierre Bergéは美術館オープン直前に逝去し、彼のコメントを聞くことができなかったのがとても残念だ。

 

 

 

 

マジョレル庭園の入り口にかけられているRue Yves Saint Laurent と書かれた通りのプレート

 

 

 

 

日本からモロッコ・マラケシュまで

モロッコへは日本から直行便は出ていない。マラケシュへはヨーロッパ経由あるいは中東を経由して行くしかない。パリやドーハなどを経由して、カサブランカにある国際空港ムハンマド5世国際空港( Mohammed V International Airport)へまず向かう。そこからモロッコ国内線を乗り継ぎ、マラケシュ・メナラ空港(英語: Marrakesh Menara
Airport)まで行くか、モロッコ国営鉄道(ONCF)でカサブランカのカサ・ヴィワジャー駅/ Gare de Casa Voyageursからマラケシュ駅/Gare de Marrakechまで行く方法がある。飛行機の場合にはパリ経由だと早くて19時間程度。カタール航空は価格が比較的やすいが、ドーハ経由だと早いのでも26時間くらいかかってしまう。ツアーによっては、ドーハでの乗り継ぎ時間が10時間以上かかることもあるので注意が必要。飛行機で行くのであれば、パリ経由が多少値段が高くとも時間がかからなくていい。マラケシュ旧市街まで、車で15分程度のマラケシュ・メナラ空港は、2008年にリニューアルオープンしたモダンな建築で、白色の蜂の巣のようなデザインは“世界の美しい空港“として雑誌などでよく取り上げられる空港。
カサブランカから電車で行く場合には、2時間に1本出ている電車を使う。モロッコの電車の旅も風情があって面白いに違いない。カサブランカーマラケシュ間は90Dhsで所用時間は3時間強。詳細はモロッコ国営鉄道ONCFのホームページでチェックするのを進める。 http://www.oncf.ma。フランス語のみだがそんなに難しくはない。

 

マラケシュ空港から市街地まで

空港から市街地のホテルまでは、バスとタクシーでの移動方法があるが、30分間隔で出ているバスは安いが、時刻表もなく少し不安なので、時間の効率を考えたらタクシーがいいだろう。短距離のプチタクシーと、長距離・乗り合いのグランタクシーがある。モロッコは都市によってタクシーの色が違っていて、カサブランカは赤、ラバトは青、マラケシュはクリーム色になっている。一応メーター制になっているが、メーターを倒さなかったり、交渉される場合が多い。空港からは100Dhs程度が相場のようだが、値切り過ぎると、かえって時間と労力を無駄にすることもあるので、ある程度で妥協することも必要かもしれない。宿泊予定のホテルが送迎している場合もあるので、そちらを事前に手配しておくのもいいだろう。

 

マラケシュのお土産

モロッコの雑貨は日本でも人気で、なかでもやはりバブシューは、本場ということもあってお勧め。スークなどでたくさんある種類のなかから気にいったものを見つけよう。あと雑貨やミントティーなどもモロッコならではのものがあるので、そちらもぜひ。